小規模事業者を無作為に抽出し、事業者からアンケート調査等で得られた個々の企業の売上動向、仕入動向、資金繰り動向・採算動向等の調査結果と、4半期に1回実施する景況調査、日本政策金融公庫の各種実態調査、その他統計資料情報等から得られる地域の経済動向資料を調査・分析し、個々の企業の経営状況に応じた情報提供体制を整備する。
小売業回収結果:配布枚数 45枚
回収枚数 33枚
回収率 73.3%
【注意点】
(1)営業年数(数量)
営業年数を10年単位でみると、「60~79年」が10件(30%)で最も多い。20年未満の比較的業歴の浅い企業は6件(18%)で、業歴40年以上と長い企業が70%を超え、80年以上の企業が4件(12%)ある。
(2)代表者の年齢(数量)
代表者の年齢を10年歳位でみると、「70~79歳」が10件(30%)で最も多く、2番目が「60~69歳」の9件で、60歳以上の合計が76%となり、代表者の高齢化が進んでいる。
また、20代の代表者はゼロで、「30~39歳」、「40~49歳」が各1件で若手の代表者が少ない。
(3)役員・従業員数
役員・事業主数は「1人」が19件(58%)、「2人」が9件。正社員数は「0人」が20件(61%)、「1~5人」が10件。パートは「0人」が21件(64%)、「1人」が8件となっている。
これらを合計人数でみると、「1~5人」が24件(73%)と小規模事業者が多い。その一方で、「21~25人」、「26人以上」の企業が各2件ある。
(4)売上高(SA)
売上高をみると、「1千万円以下」がほぼ半数の15件(46%)で最も多く、2番目が「3千万円以下」の8件で、両者を合わせると70%になる。また、売上1億円以上の企業が5社ある。
Q1 主たる業種・従たる業種
① 主たる業種(MA)
小売業の主な業種をみると、「食料品(鮮魚・精肉・惣菜・菓子などの専門)」が6件(18%)で最も多く、次いで「飲食料品」が4件、「衣料品類」3件、「日用雑貨・台所用品」・「医療・化粧品」が各2件の順となっている。
その他には、木材、文具、肥料・農薬販売・米穀販売・餅加工、農業機械、体験交流型テーマパーク、石油類販売、石油類小売販売・LPガス販売、石油販売・整備・車販売、新聞販売、自動車部品加工、乾物、たばこ・飲料水、ガソリンスタンド等、12件の記載があった。
Q2 兼業の状況(SA)
兼業の有無を聞いたところ、「あり」が10件(30%)であった。
兼業の内容は「自動車関連業」が2件、「ネット販売」が1件。「その他」には、会社員が2件の他、保険、農業と団体職員、農業、住宅設備工事、仕出し、LPガス販売の記載があった
Q3 後継者の状況
後継者に関する質問で、「後継者がいる(親族)」は4件(12%)、
「後継者がいる(親族以外)」が2件(6%)である。その一方で、現経営者の年齢にもよるが、「後継者なし」は24件(73%)と、3/4近くとなっている。
「後継者あり」の回答で、事業承継予定時期は「5年以内」が1件、「特に決めていない」が3件であった。また、「後継者なし」の承継の見通しは、「事業承継者を探す」が3件あるものの、「事業廃業」、「特に考えていない」が各7件(29%)あった。
Q4 役員及び従業員の状況
役員(事業主及び専従者)及び従業員の人数を聞いた。役職別の回答状況は以下のとおり。
(役員及び従業員の人数の詳細は、「第4章 参考資料」の集計表を参照のこと)
また、これらを役員及び従業員の人数と年代を、以下の表とグラフに示した。
20代・30代・40代の役員・従業員がゼロの企業が70%を超え、若い世代の人数が少ない半面、60代・70代が「6人以上」の企業が合計3件で、高齢化が進んでいる。
Q5 立地環境
立地環境は「地域中心部」が10件(30%)で、「住宅地の中」と「幹線道路沿い」が各6件、「商店街またはその周辺」4件の順となっている。
「その他」には、山間部が2件の他、道路沿い農地、過疎地域の記載があった。
Q6 今期の業績見通し(SA)
① 売上(加工)金額
前期と比較した売上(加工)金額が、「増加」は5件(15%)で、「減少」22件(67%)の約1/4に留まった。
② 売上(収入)の増減状況
前期と比較した売上(加工)金額の増減割合を聞いたところ、「約1割増加」が2件、「約2割増加」が1件で、合計3件に留まった。(本設問に回答記入が無いものがあり、前問と合計が一致しない。)
逆に減少は増加に比べ、件数・減少割合とも圧倒的に多く、売上が前期の「1/2以下に減少」が3件ある他、「3割・2割減少」が各4件、「1割減少」が8件となっている。
③ 売上単価等の状況
売上や業績を左右する単価や数量等6項目を、「増加」、「不変」、「減少」から択一で質問した。どの項目も「不変」が半数程度あるが、これを除き、「増加」と「減少」をグラフにした。
すべての項目で、「減少」件数が「増加」件数を上回っている。
個別にみると、売上単価は「増加」1件に対し「減少」が25件、売上数量は「増加」4件に対し「減少」が26件、仕入単価は売上単価が変わらなければ「減少」の方が経営的には楽であるが、「増加」が6件「減少」が17件となっている。
こうした結果として、採算が「増加(改善)」したが4件、「減少(悪化)」が18件、業況は「増加(改善)」1件に対し、「減少(悪化)」が17件となっている。また、従業員は「増加」が2件、「減少」が6件で、他の項目に比べると増減の割合が少ない。
Q7 昨年の設備投資動向(SA)
設備投資を「実施」した企業は9件(27%)で、「実施していない」企業の22件(67%)を下回った。
また、実施した設備投資内容は、「備品等設備」が5件(設備投資企業の25%)で最も多く、2番目が「店舗建物」、「付帯設備」が各4件であった。
その他には「旅行」の記載があった。
Q8 直面している経営上の問題点(SA)
現在直面している経営上の問題点を優先度の高い順に選択してもらった。
優先順位1位は「固定客の減少」が16件(49%)で抜きんでており、少子・高齢化に伴う人口減少が影響しているものと推察される。2番目は「景気や需要の低迷」で5件、3番目が「大型店舗による競争の悪化」が3件で続いた。
優先順位2位は「新規客の減少」が9件(27%)で最も多く、次いで「顧客単価の減少・上昇難」8件、「固定客の減少」4件の順であった。
また、優先順位3位は「新規客の減少」が5(15%)件、次いで「店舗や看板等の老朽化」、「顧客単価の減少・上昇難」、「景気や需要の低迷」が各4件あった。また、その他には、「宅配を断られたら廃業」の記載があった。
Q9 顧客の状況
① 客層の年代
客層の年代を10歳刻みで聞いたところ、「20代」はゼロで、1位~3位の合計が最も多い客層の年代は「60代」である。
1位で最も多いのは「70代以上」の18件(54%)、次が「60代」の10件で、客層の高齢化が進んでいる。
また、2位で最も多いのは「60代」の16件(49%)、3位で最も多いのは「50代」の15件(46%)となっている。
② 顧客の来店手段
顧客の来店手段で、1位~3位の合計が最も多いのは「自家用車」で、1位で最も多いのも「自家用車」の23件(70%)で、群を抜いており、車社会を表している。2番目は「徒歩」は7件である。 また、2位で最も多いのは「自転車」の12件(36%)で、3位で最も多いのは「徒歩」の11件(33%)となっている。
③ 顧客の利用頻度
顧客の利用(来店)頻度で、1位~3位の合計が最も多いのは「週に2~3回程度」と「月に2~3回程度」の各15件。
1位で最も多いのも「週に2~3回程度」の11件(33%)で、次は「年に数回程度」の6件である。
また、2位で最も多いのは「週に1回程度」と「月に1回程度」の各6件(18%)で、3位で最も多いのは「月に2~3回程度」8件(24%)となっている。
④ 顧客になったきっかけ
顧客になったきっかけの、1位~3位の合計が最も多いのは「地域内常連」で、他を大きく引き離している。1位で最も多いのも「地域内常連」の26件(79%)である。2番目の「インターネット」は2件と少ない。
また、2位で最も多いのは「地域外常連」の14件(42%)で、3位で最も多いのは「通りすがり」の
8件(24%)となっている。
⑤ 顧客の居住地
顧客の居住地で、1位~3位の合計が最も多いのは「町内」で、1位で最も多いのも「町内」の28件(85%)である。2番目は「近隣市町」は3件と少ない。
また、2位で最も多いのは「山口市内」の19件(58%)で、3位で最も多いのは「近隣市町」の15件(46%)となっている。
⑥ 消費税転嫁状況
平成26年4月に、17年ぶりに消費税が8%に引き上げられたところだが、顧客への消費税転嫁が出来ているか質問した。
「出来ている」との回答が18件(55%)に対し、「出来ていない」が5件(15%)で、転嫁できていない企業がある。また、「不明(未回答)」の回答が10件(30%)あるのも、気になるところである。
⑦ 顧客の志向
顧客の買物に対する志向を聞いたところ、「自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ」と「とにかく安くて経済的なものを買う」が、12件(36%)と11件で、共に1/3程度であった。また、「多少値段が高くても品質の良いものを買う」が5件あった。
⑧ 顧客の個別情報管理状況
顧客の個別情報を管理するのにコンピュータを使っているかの質問に対し、「コンピュータは使っていない」の回答が16件(49%)で半数近い。2番目が「POSを導入している」の6件で、「レジの記録を手作業で管理している」が5件、「コンピュータに顧客台帳を登録している」が3件であった。
⑨ 顧客の個別情報管理状況
コンピュータは使っていない回答者に、顧客の個別情報をどのような方法で管理しているかを聞いた。
「何も管理していない」が6件(18%)で最も多く、2番目は「一覧式名簿で管理している」、「売掛帳で兼用している」が各5件であった。
また、その他には「薬は台帳に記録しているが、酒・たばこは特に何も管理していない。」、「たばこのカートン買い固定客は台帳につけている。」の記載があった。
Q10 仕入商品の選択基準
Q11 在庫長期化防止対策
適切な在庫管理は経営の効率化に欠かせない。在庫の長期化を防止するために、仕入先への返品や交換(入替)をしているかを質問した。
「している」が10件(30%)で最も多いものの1/3に留まり、「したことがない」、「商品の性格上出来ない」が各8件で、多数を占めている。
Q12 顧客に好まれる店
どういったお店が顧客好まれるかについて、優先度の高い順に3つ選択してもらった。
優先順位1位では「品揃えが豊富なお店」が10件(30%)で最も多く、「品質が良いお店」が7件、「値段が安いお店」と「店の雰囲気や接客態度が良い」が4件で続いている。
優先順位2位は、「品質が良いお店」7件(21%)、「店の雰囲気や接客態度が良い」、「品揃えが豊富なお店」が上位で、1位とほぼ同じ項目となっている。優先順位3位には「細かい要望に応えてくれる」8件(24%)、「値段が安いお店」、「店の雰囲気や接客態度が良い」が上位となっている。
Q13 顧客が自店で買物する理由
顧客はなぜ貴社の店舗で買物をしてくれるかの質問に対し、優先順位1位では「自宅から近い」が10件(30%)で最も多く、次いで「顔なじみである」が8件、「品質が良い」」が5件で続いた。また、優先順位2位は「顔なじみである」8件、「細かい要望に応えてくれる」、「自宅から近い」が上位で、優先順位3位もほぼ同じ内容で「自宅から近い」、「他に利用可能な店舗がない」、「顔なじみである」、「駐車場がある」が各4件であった。その他に「こだわり」の記載があった。
Q14 今後の経営方針
今後の経営方針を、優先度の高い順に3つ選択してもらった。
優先順位1位は「現状を維持しながら効率化を図る」が16件(49%)で最も多く、「外販(移動や出張販売)活動を取り入れる」、「魅力ある商品を増やし専門性を高める」は、4件と3件で少ない。優先順位2位は「経営を縮小し採算を合していく」が7件(21%)の他、「現状を維持しながら効率化を図る」、「経費を徹底的に見直し削減努力をする」。優先順位3位は「将来的には廃業も考えている」が11件(33%)で、「経費を徹底的に見直し削減努力をする」が5件であった。
Q15 経営方針達成に必要な取組等
経営方針の達成に必要な取組を、優先度の高い順に3つ選択してもらった。
優先順位1位は「現状を把握し、将来への展望や効率化を分析するための自社経営分析」の10件(30%)で、「将来を見据えた【縮小や廃業のための】経営計画書策定」が5件、「スキル(知識や技術、情報等)を向上するための勉強会やセミナーへの参加」が4件であった。
優先順位2位は、1位と同じく「現状を把握し、将来への展望や効率化を分析するための自社経営分析」、「将来を見据えた【縮小や廃業のための】経営計画書策定」が各5件であった。優先順位3位は「従業員の確保と人材育成強化」が5件、「スキル(知識や技術、情報等)を向上するための勉強会やセミナーへの参加」が4件で多かった。
その他に「現在介護を抱えているため、店舗経営との両立を考えた方法。」の記載があった。
Q16 商工会への意見や要望
以下、6件の記載があった。
クロス集計にあたっては、標本数が少ないことから、設問のその他を含む12業種を「飲食料品(10件)」、「衣料品・日用雑貨等(11件)」、「その他(12件)」の3つに括り、クロス集計した。
(詳しくは、「第4章 参考資料」にあるクロス集計表を参照のこと)
以下、小売業種別の特徴が表れているものについて説明する。
(1)調査企業の概要
【代表者の年齢他】
主たる業種別に代表者の年齢をみると、衣料品・日用雑貨等は「59歳以下」の代表者が1名で、残り10名が「60歳代以上」と、他業種より高齢化が進んでいる。また、飲食料品には「60歳代」の代表者は無く、「59歳以下」と「70歳以上」の両端に分かれている。
(2)質問項目に対する回答
【Q3:後継者について】
後継者なしの回答は、飲食料品が90%、衣料品・日用雑貨等は91%と高く、その他は57%と低い。後継者なしのその後の対応は、右側のグラフにあるように、その他は「事業廃業」が無いのに対し、飲食料品が5件、衣料品・日用雑貨等の2件が「事業廃業」と回答している。
【Q5:立地環境】
店舗の立地環境をみると、飲食料品は「住宅地の中」が多いもの、「地域中心部」や「幹線道路沿い」にバランスよく展開している。衣料品・日用雑貨等は「地域中心部」と「商店街またはその周辺」、その他の業種は「幹線道路沿い」に多く立地しており、業種毎に立地環境の特性が出ている。
【Q7:設備投資】
主たる業種別の設備投資状況をみると、飲食料品で設備投資を「実施した」企業は1件と少ない。しかしながら、衣料品・日用雑貨等では27%、その他の業種が46%と実施割合が高く、業種によって設備投資状況が異なっている。
【Q8:経営上の問題点等(Q14、Q15)】
経営上の問題点及び今後の方針、達成に必要な取組で優先順1・2位の内容を、業種別に件数が多いものを表にまとめた。(1番多い項目には件数を表記、件数が1件のものは除いた。)
経営上の問題点では、どの業種にも「固定客の減少」が最も多い。飲食料品の2番目は「大型店舗による競争の悪化」と「店舗や看板等の老朽化」が同数で、その他業種の2番目は「景気や需要の低迷」となっている。
今後の方針も、「現状を維持しながら効率化を図る」がどの業種も最も多く、2番目をみると、飲食料品は外販、その他は魅力ある商品で、売上を増やす取り組みが見られる一方、衣料品・日用雑貨等は「将来的には廃業も考えている」となっている。
また、達成に必要な取組では、飲食料品と衣料品・日用雑貨等が「現状を把握し、将来への展望や効率化を分析するための自社経営分析」がトップなのに対し、その他の業種は「スキルを向上するための勉強会やセミナーへの参加」となっている。
経営上の問題点(3番目は1件のため割愛)
主たる業種 | 1番目 | 2番目 |
飲食料品 | 固定客の減少(3件) | 大型店舗による競争の悪化、店舗や看板等の老朽化 |
衣料品・日用雑貨等 | 同上(9件) | |
その他 | 同上(4件) | 景気や需要の低迷 |
今後の方針
主たる業種 | 1番目 | 2番目 |
飲食料品 | 現状を維持しながら効率化を図る(5件) | 外販活動(移動や出張販売)を取り入れる |
衣料品・日用雑貨等 | 同上(7件) | 将来的には廃業も考えている |
その他 | 同上(4件) | 魅力ある商品を増やして専門性を高める |
達成に必要な取組
主たる業種 | 1番目 | 2番目 |
飲食料品 | 現状を把握し将来への展望や効率化を分析するための自社経営分析(4件) | 外販活動(移動や出張販売)を取り入れる |
衣料品・日用雑貨等 | 同上(4件) | 同上 |
その他 | スキル(知識や技術、情報等)を向上するための勉強会やセミナーへの参加(2件) |
現状を把握し将来への展望や効率化を分析するための自社経営分析 将来を見据えた【業績UPのための】経営計画書策定 |
【Q9-1:消費税転嫁】
消費税の転嫁状況を聞いたところ、その他の業種では消費税転嫁が「出来ている」ものの、飲食料品で2件、衣料品・日用雑貨等で3件が、転嫁「出来ていない」との回答があった。
【Q9-2:顧客の志向】
顧客の志向を聞いたところ、「自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ」と、「とにかく安くて経済的なものを買う」が、どの業種も、ほぼ同じくらい。衣料品・日用雑貨等では「多少値段が高くても品質の良いものを買う」が36%と多い。
【Q9-3:顧客の情報管理】
顧客の個別情報を管理するのにコンピュータを使っていますか、の質問に対し、飲食料品は「コンピュータは使っていない」が70%と高く、衣料品・日用雑貨等は55%で半数を超えている。
また、「POSを導入している」割合は、その他の業種で多く、衣料品・日用雑貨等の36%が「レジの記録を手作業で管理している」。
【Q12:顧客に好まれる店】 各業種の優先順位1・2位で件数が多い1~2番目をピックアップする |
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飲食料品 |
品揃えが豊富なお店(3件)、品質が良いお店、値段が安いお店 |
衣料品・日用雑貨等 | 同上(5件) |
その他 | 店の雰囲気や接客態度が良い(3件)、品揃えが豊富なお店、品質が良いお店 |
【Q13:顧客が自店で買物する理由】 各業種の優先順位1・2位で件数が多い1~2番目をピックアップする |
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飲食料品 |
品質が良い(4件)、自宅から近い、顔なじみである |
衣料品・日用雑貨等 | 自宅から近い(4件)、顔なじみである(4件)、他に利用可能な店舗がない |
その他 | 自宅から近い(4件)、顔なじみである |
代表者の年齢を、「59歳以下(8件)」、「60歳代(9件)」、「70歳以上(16件)」の3つに括り、クロス集計した。(詳しくは、「第4章 参考資料」にあるクロス集計表を参照のこと)
以下、代表者の年代別の特徴が表れているものについて説明する。
【後継者について】
59歳以下では「後継者がいる(親族)」が2件、60歳代・70歳以上では「後継者がいる(親族以外)」が各2件ある。どの年代とも「後継者なし」が大半であるが、60歳代では78%、70歳以上は87%に達している。
後継者なしの対応では、60歳代・70歳以上で「事業承継者を探す」があるものの、59歳以下及び60歳代で各1件、70歳以上で5件が「事業廃業」と回答している。
【設備投資・売上】
代表者の年代別に設備投資状況をみると、59歳以下に比べ、60歳代・70歳以上の設備投資は「実施していない」割合が倍以上と高い。
また、売上状況では、年齢が上がるにつれて、売上が「減少」と回答した割合が増加し、70歳以上は、「減少」が80%になっている。
今回実施した地域の経済動向調査の結果判明した、徳地地域における小売業の概要及び経営状況、経営課題と方向性は、以下のとおりである。
調査企業の概要 |
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主たる業種等 |
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後継者問題 |
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立地環境 |
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今期の業績見通し |
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設備投資状況 |
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直面する経営課題 |
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顧客の状況 | 客層 | 「20代」はゼロで、最も多い客層の年代は「60代」 |
来店手段 | 「自家用車」がダントツ | |
利用頻度 | 「週に2~3回程度」と「月に2~3回程度」の各15件 | |
顧客になったきっかけ | 「地域内常連」がダントツ | |
顧客の居住地 | 「町内」がダントツ | |
消費税転嫁状況 | 「出来ている」18件(55%)、「出来ていない」5件 | |
(業種別クロス)飲食料品で2件、衣料品・日用雑貨等で3件が転嫁「出来ていない」 | ||
顧客の志向 | 「ライフスタイルにこだわって」、「安くて経済的なもの」 | |
(業種別クロス)衣料品・日用雑貨等では「多少値段が高くても品質の良いものを買う」が36%と多い | ||
顧客の個別情報管理 | 「コンピュータは使っていない」16件(49%) | |
(業種別クロス)飲食料品は「コンピュータは使っていない」が70%と高く、衣料品・日用雑貨等は55%である。 | ||
→コンピュータは使っていない企業のうち、「何も管理していない」が6件で最も多い | ||
仕入商品の選定基準 |
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在庫長期化防止策 |
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顧客から好まれる店舗 |
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(業種別クロス)飲食料品や衣料品・日用雑貨等→品揃えが豊富なお店や品質が良いお店、値段が安いお店 その他の業種→店の雰囲気や接客態度が良いお店 |
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顧客が買物してくれる理由 |
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(業種別クロス)飲食料品→品質が良い 衣料品・日用雑貨等・その他の業種→自宅から近い |
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課題への対処方針 |
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各業種の2番目 | ||
飲食料品 | 「外販活動(移動や出張販売)を取り入れる」 | |
衣料品・日用雑貨等 | 「将来的には廃業も考えている」 | |
その他業種 | 「魅力ある商品を増やし専門性を高める」 | |
今後必要な取り組み |
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(1)アンケート調査票